米国のスタートアップ Runway は 2026 年 5 月 21 日、最新の動画編集 AI モデル「Aleph 2.0」と、新しい動画編集ツール「Edit Studio」を公開した。
Aleph 2.0 は、同社が提供してきた動画編集モデルのアップグレード版で、既存動画の 1 フレームに加えた編集内容を、動画全体へと自動的に反映できる点が特徴だ。新たに公開された Edit Studio 上で利用でき、最大 30 秒・1080p 解像度の動画編集に対応する。
Runway は Aleph 2.0 と Edit Studio を、「すでにある動画」と「本当に必要な完成形の動画」とのギャップを埋めるためのプロダクトと位置付けている。ゼロから動画を生成するだけでなく、撮影済みの映像や既に生成された動画を、目的に合わせて柔軟に作り替える用途を想定している。
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1 フレームを直すだけで、動画全体の見た目をそろえる
Aleph 2.0 の最大の特徴は、動画内の 1 フレームを編集し、その見た目を動画全体に一貫して反映できることだ。
例えば、人物の服の色や髪型、登場する商品、背景、照明などを変えたい場合、まず静止画として「編集後の理想の見た目」を指定する。Aleph 2.0 は、その 1 フレームでの編集内容を手がかりに、動画内の該当箇所へ変更を広げていく。一方で、編集対象ではない部分については、できるだけ元の状態を保つように処理する。
従来の多くの AI 動画編集モデルでは、ユーザーが求めた以上の変更が加わり、背景や構図、被写体の動きなど、意図していない部分まで変わってしまうケースが少なくなかった。Aleph 2.0 は、変更対象を局所的に扱う設計へと改良されており、元動画の内容を尊重しながら、必要な部分だけをピンポイントで編集できるようになっているという。

最大 30 秒・1080p、複数ショットの動画にも対応
Aleph 2.0 は、最大 30 秒・1080p の動画編集に対応し、単一カットだけでなく、複数のカットや場面転換を含む動画にも利用できる。関連するショットに対して、同じ編集内容をまとめて適用できる点も特徴だ。
例えば、同じ商品や衣装、背景などが複数のシーンに登場する場合、それぞれのショットを個別に手作業で編集する必要がなくなり、作業負担を大きく減らせる可能性がある。Runway は、マーケティングチームによるキャンペーン動画のバリエーション制作、映像制作者によるポストプロダクション作業、既存動画をアップデートしたい中小企業などを主な利用シーンとして挙げている。
Edit Studio:1 フレームでプレビューしてから動画全体に反映
Edit Studio は、Aleph 2.0 の機能を活用するための専用動画編集環境だ。既存の実写動画や、他の生成モデルで作成した動画を読み込み、テキストプロンプトや参照画像を使って編集内容を指定できる。
特徴的なのは、動画全体を生成する前に、編集後の見た目を静止画としてプレビューできるワークフローである。ユーザーはまずキーフレームを選び、変更したい内容を指定し、その結果を 1 枚の画像として確認する。そのうえで、Aleph 2.0 がその見た目を基準に、編集内容を動画全体へと広げていく。
Edit Studio では、商品の差し替え、キャラクターの入れ替え、ショットの変換、不要なオブジェクトの削除、新しい要素やエフェクトの追加など、さまざまな編集が可能だ。単一ショットだけでなく、最大 30 秒の複数ショットで構成されたシーケンスにも対応している。
従来の動画生成 AI では、プロンプトを入力してから結果が出るまで、どのような仕上がりになるか事前にイメージしづらいという課題があった。Edit Studio は、まず 1 フレームで編集結果を確認し、その見た目を動画全体に展開するというプロセスを採用することで、試行錯誤の回数や手間を減らすことを狙っている。
