ハリウッド脚本家組合と映画スタジオが4年契約で暫定合意 生成AI学習から脚本を守るルールを継続

全米脚本家組合(WGA)は米国時間2026年4月4日、映画スタジオやストリーミングサービスを代表する映画テレビ製作者協会(AMPTP)と、新たな労働協約について4年間の暫定合意に達したと公式サイトで発表した。契約には健康保険や報酬制度の見直しなども含まれるが、とりわけ注目されているのは、脚本が生成AIの学習に利用されることを巡る保護ルールが引き続き維持される点だ。

WGAが公開した契約文書「2026 WGA Theatrical and Television Basic Agreement Memorandum of Agreement」によれば、新たな協約の有効期間は2026年5月2日から2030年5月1日までの4年間となる。今回の暫定合意は、今後WGA理事会と組合員による承認手続きを経て、正式に発効する予定である。

生成AIが労使交渉の主要テーマに

近年、生成AIの急速な発展を背景に、ハリウッドでは脚本家の仕事や著作権への影響が大きな論点となってきた。2023年にはWGAがストライキを実施し、AIの利用ルールが労使交渉の中心的な争点となったことは記憶に新しい。

当時の交渉では、AIが脚本家の仕事を代替するのではないかという懸念に加え、既存の脚本作品がAIモデルの学習データとして無断で利用される問題が大きく取り上げられた。今回の新契約でも、こうした生成AIを巡る論点への対応が、重要なテーマとして位置付けられている。

AI生成テキストは「脚本」と見なさない原則

WGAとAMPTPの新たな協約では、AIによって生成されたテキストは脚本家の「文学的素材(literary material)」として扱わない、という原則が従来どおり維持される。

この規定により、AIが出力した文章は正式な脚本としては認められず、AIそのものが脚本家としてクレジットされることもない。仮にスタジオ側がAI生成テキストをベースに企画を進めたとしても、それは人間の脚本家による作品と同等には扱われない。

こうしたルールは、AIを使って脚本家の役割を置き換えたり、人間の創作を軽視したりすることを防ぐ狙いがある。

脚本をAI学習データに使うことへの懸念

生成AIの普及に伴い、脚本や映像作品など、既存のコンテンツがAIモデルの学習データとして利用される可能性も大きな論点となっている。

WGAはこれまで、脚本家の著作物が権利者の同意なくAIの訓練に使われることに強い懸念を示し、保護の枠組みを求めてきた。今回の暫定合意でも、脚本家の作品とAI利用を巡る問題について、2023年に導入された保護ルールを引き継ぐ形で、権利を守るための仕組みが維持される。

2023年のAI条項を土台にした更新

今回の4年契約は、2023年の労使交渉で初めて盛り込まれたAI関連条項を土台としている。

2023年の協約では、主に次のようなルールが導入された。

  • AI生成テキストは脚本として扱わないこと
  • AIを脚本家の代替として使用してはならないこと
  • AI生成素材を利用する場合、その事実を脚本家に開示すること

新たな協約でも、これらの基本原則は引き続き維持される。これにより、生成AIの活用が進む中でも、脚本家の権利やクレジット、報酬を守るための枠組みが、労働協約の中で継続して扱われることになる。


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